アオニサイファーム取材班

PRESS
2021.11.05

【つくば市谷田部】川上和浩さん(ミニトマト農家)の考えに触れわかった新規就農の道と農家の想い

川上和浩さん(ミニトマト農家)

人生初めてのインタビュー、ドキドキいっぱいのチャレンジ。今回は川上農園の川上和浩さんにインタビューしました。多種多彩なミニトマトを生産するつくばの新規就農者。川上さんの農業や農家に対する考え方に触れることで、川上さんが新規就農で活躍している理由がわかりました。(聞き手/アオニサイファーム取材班・吉成 香貫花)

川上和浩さん(ミニトマト農家)

人物紹介

川上かわかみ和浩かずひろさん(川上農園経営者)

小学生時代に植物に関わる作業に魅力を感じ、高校では農業高校で農作業の楽しさを感じる。 幅広く農業が学べると考え東京農業大学へ。大学卒業後、緑のふるさと協力隊として1年間長野県で定住型ボランティア、後に地域おこし協力隊として2年間農業振興に従事。2012 年から つくばの農業法人で 5 年間勤務し、2017 年に独立。ミニトマトを中心とした多品目複合経営を実践。複数の直売所やネットでの販売を行う。

——川上さんの実際に新規就農で独立してからのこだわりなどあれば教えてください。

川上:
自分は売り方をこだわっています。多くの品種のミニトマトを栽培しています。

——なぜ、多品種栽培しているのですか?

川上:
スーパーだとミニトマトって 1種類で販売されていることが多いですが、実際は種類ごとに酸味や甘みが違います。お客さんのニーズに応えるトマトを用意できれば面白いなと思い始めました。ミニトマト以外の野菜も栽培しているので、なるべくその売り方で他の野菜も販売しています。
また、新規就農者はベテランと比較したら経験や技術、販売実績のいずれも天と地の差です。そこで手に取ってもらえるためには工夫が必要です。自分は多品種作って売るという切り口で行いました。

——多品種作ることはニーズを考えた一つの戦略だったのですね。ニーズを考えて作るのがいいということですか。

川上:
ニーズがなくても作っていけばいいと思います。諦めないで作り続けることが大事だと思います。一回チャレンジして売れなくて辞めるではなく、売り続けることがブランド作りに繋がります。お客さんって毎日直売所に訪れませんよね。偶然見つけて手に取ってもらえるかなんですよね。食べておいしかったらまた買ってくれる。そこでリピーターが増えていく。そうしていると自然に口コミで広がっていきます。だからその時に見つけてもらえるように作り続けることが大事です。

——確かに、食べておいしかったらまた買いたくなりますね。

川上和浩さん(ミニトマト農家)

——新規就農で苦労した点などありますか。土地選びが難しいイメージがあります。

川上:
自分の場合は農業法人勤務時代のツテがあり土地を貸してくれる人がいたので苦労しなかったです。新規就農だったら普及センターなどで土地を紹介してくれると思います。自分の場合は、そこに登録してないけど、そろそろ辞めるから使ってほしいなどの人づてで、いい土地に出会えた感じです。また自分は必ず書面を介してトラブルを防いでいます。

——人のつながりで川上さんは土地に関して苦労しなかった。しかし新規就農の課題の一つに、知らない場所のコミュニティに参加することの困難さも挙げられます。川上さんはその点いかがでしたか?

川上:
自分は長野県での経験が活きてコミュニティに参加できました。つくばの前に長野県で農業しながら地域振興に関わっていました。具体的には、地域の行事に積極的に参加し地域の人と信頼関係を築くことです。認めてもらうためには地元の人との活動を並行してやらないと難しいです。これはどの地域のコミュニティに参加することにも共通しているのではないでしょうか。

——確かに!その考えって当たり前だけど忘れがちな部分だと思います。人に認められるために努力するって農業以外も通ずるものがありますね。

川上和浩さん(ミニトマト農家)

——他にも新規就農者が苦労することってありますか?

川上:
独立して最初の壁は売り先だと思います。自分は幸いにも元勤務先の農業法人が営む直売所がそのままメインの売り先になりました。作っても売り先がなくて辞めちゃうパターンも過去に見てきました。

——自分のことを知らない売り先の人に認めてもらうことは難しそうですね…でも生活するためにも売り先は必要ですね。売り先に直売所などがあげていますが、直売所でのやりがいや苦労を教えてください。

川上:
やりがいは直売所だと売り場の人から情報を直接頂き、商品がちゃんと売られていることが実感できる事です。
苦労というか難しい所は直売所だと売れ残り管理ですかね。自分で値段を決めたりと考えたり。手間がかかるけど必要なことだと考えます。自分は、市場などで作物の値段が全体の出荷量によって変動することはおかしいと思っています。自然由来だから難しい部分はあるけど、『農家さんがやっていける値段のボーダーライン』があれば農家の損得があまりなくなるのではと考えます。」

——ボーダーライン…考えたことなかったです。よくテレビで野菜の値段の上昇など見るけど、その視点で着目してなかったですね。

川上:
消費者目線で野菜が高くて買えないって言われるけど、そうしないと農家がやっていけない。例えば1個98円が300円に上昇していた。でもそもそも98円が適正か、300円って本当に高いのか。何が適正価格か分からないまま高いから買えないと言うのはよくないと、作り手側としては思いますね。

——農作物は天候に左右される部分がありますし、農家の生活の為にも適正価格の必要性を感じますね。

川上和浩さん(ミニトマト農家)

——アオニサイファームでは『農業 × クリエイティブ』で新規就農や農業を盛り上げていきたいと考えています。川上さんは『農業 × クリエイティブ』と聞いたときどんなイメージを持ちますか?

川上:
農業自体がクリエイティブだと思います。農業の作り方や売り方を試行錯誤しながら最適解を見つけていく。昔はただ作って出荷するだけで大丈夫だったかもしれないけど、現状はそれだと厳しくクリエイティブさが必要だと思います。

——新規就農で生き残るには、川上さんの考えるクリエイティブさが必要だな感じました。

川上和浩さん(ミニトマト農家)

最後に実際に農場を見せてもらい、あるものを見せてもらいました。

——これは何ですか?

川上:
硝酸イオンメーターとカリウムイオンメーターです。これに加えて糖度計もありミニトマトの測定を行います。これらの測定方法全体を生体分析と呼んでいます。

——生体分析!どうやるのですか、教えてください!

川上和浩さん(ミニトマト農家)

川上:
硝酸態窒素は植物が生育するために必要なものですが、多すぎると病害虫を受けやすくなります。カリウムは、植物の新陳代謝を促す働きがあり、特にトマトはカリウムを好む傾向にあります。カリウムが少ないと、新陳代謝が滞り病気になりやすくなります。それらの値を対策の判断基準の1つとしています。
やり方は、生長点以外の葉の部分をとります。とったものをすりつぶして、汁をメーターの容器を入れます。これで測れます。基準値と比較して、必要な処置をします。

——簡単ですね。これでトマトの目では分からない部分が数値化されて、トマトの生育に役立てると。

川上和浩さん(ミニトマト農家)

川上:
あくまで目安です。実際にトマトを目で確認することが大事です。でも数値が見える生育方法を川上農園の強みのひとつにしたいなと考えています。

川上和浩さん(ミニトマト農家)

新規就農者の貴重なお話を聞けました。川上さんありがとうございました!

ファームプロダクツファイル

①作っている代表作物

・ミニトマト
酸味も甘みも堪能できるミニトマト「ほれまる」は食べてほしい! 一度ご賞味あれ!
他にもお皿を彩るカラフルトマト、甘みがあるアルルなど種類が豊富で、気分によってミニトマトが選べる。

●赤ミニトマト
(アルル・ほれまる・リトルジェム)
●カラフルトマト
(イエローアイコ・チョコアイコ・オレンジアイコ・プチポンバイオレット・チョコちゃん・サリーナエメラルド)

ミニトマトの収穫時期は10月~翌年7月頃。

ミニトマトの収穫時期は10月~翌年7月頃。

②作り方

・ハイワイヤー方式
ワイヤーにローラーフックと呼ばれる専用の器具をつかってで左右に振ることでミニトマトに光がいっぱい当たりすくすく育ちます。握ると高さを下げることができるので、効率的に管理することができます。

ハウスの中。ワイヤーで管理がしやすい。

ハウスの中。ワイヤーで管理がしやすい。

・生体分析行っています!
ミニトマトに必要な栄養が見える!! 肥料のあげすぎも予防できる。

生体分析中の川上さん。糖度を見てます。

生体分析中の川上さん。糖度を見てます。

③他に作っている作物

・ネギも多品種作っています!
・スーパーでは珍しい野菜も!?

●栽培作物
(ミニトマト・トウモロコシ・カボチャ・ネギ・ターサイ・ロマネコス・トウガラシ
※現在ビーツ、ポップコーンは生産中止しています。)

ミニトマト施設の裏のネギ畑。

ミニトマト施設の裏のネギ畑。

④川上さんの目標

ミニトマトをもっとおいしくする、収量を増やすことが当面の目標です!

向上心に満ち溢れている川上さん!

向上心に満ち溢れている川上さん!

⑤川上さんから農業に興味のある人へ

1ヶ月農業を体験してみてください、自分が理想とする農家へ行くのがおすすめ!

これからの若者の農業参入に期待されています。

これからの若者の農業参入に期待されています。

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